デンマーク人の仕事の効率の良さは撮影の現場でも。

みんな最初にデンマークで働いて驚くことは、仕事を切り上げる時間の早さと充分な休暇。

それはモデルの撮影の現場でも同じで、全てとてもオーガナイズされていて、撮影の進行のスピードも早くテキパキしている。

え、もう終わり?と、いつも驚く。それがだいたい4時。

だいたい4時くらいになったら、続きは明日でっ!となる。

二日目の撮影に続きを持ち越す場合、二日目の自分の出番は午前中で終わったりして、

え、これ昨日6時までやれば終わったんじゃないの?と拍子抜けすることも。

もちろん、ギャラもちゃんと2日分支払われる。この余裕のある空気感に毎回感動する。

 

こないだデンマーク人の撮影クルーと、ルーマニアで撮影があった。

映像の撮影で、これもまたしっかりオーガナイズされていて、自分のコールタイム(現場に入る時間)は午前11時半で、

朝時間あるし散歩でもできるな〜って思っていたら、1時間前に電話がかかって来て、早く進んでるからもう来れる?って。

朝7時半スタートで、モデルは私が3人目で、すでに巻いているとはさすが。

現場に着いたら想像以上に大きなセットと大人数にやや驚きつつ、歩く歩道に乗せられたかのごとく、物事がちゃかちゃか進んでいく。

いまいちなにをやるかはっきり聞いていない。2番目のモデルの子をフィルミングしている様子をモニターで見て、明確な設定やストーリーを知る。

でもとりあえずすごい素敵な映像で、テンション上がる。

いざ自分の番が来て、まだ何も説明されてないまま、聞くタイミングも与えてもらえないまま撮影がスタート。

とりあえず、やって!って感じで、フィルム回ってる。

きっと仕事が早い人達だから、相手に求めるものも高いのだろう。

言われてやるのではなく、自分で考えて自発的にやって、という感じで。

あっちはあっちで自分の仕事に熱中して盛り上がっているから、こっちもなんか盛り上がる。

正解がない中で、提案したらほとんどなんでも肯定してもらえるし、違ったらもっとこういう感じで、っていうのも言ってくれるし、面白かったら笑ってくれるし、

何と言っても良いと思った時に、感情的に表現してくれるからわかりやすくてやりやすい。判断力の早さも、本当にいい意味で適当。

基本的に上下関係や利害関係がないから、その場のクリエイティブにだけみんなが集中できて、それも本当にやりやすくて。

自分の番のフィルミングもすごいスピードで流れていき、オーケストラのごとく爽快に終わって、やはり4時頃に、ディレクターの一言。

” 今日は日曜だし、みんな帰って家族との時間を過ごしたりしよう !今日はこれでおわりーーっ!”

なんて気持ちの良い終わり方なんだ。その残りの日をまだ充分楽しむ余裕がある。これだと今日の疲れやストレスを明日に持ち越すこともなさそう。

自分的にはあまりにも一瞬で終わってしまったので、なんだか少し物足りない気分でメイクを落としていたら、

” ごめん、もうワンカット撮らして!” とディレクター。

“もちろん喜んで!でももう一回メイクしなきゃだから時間ちょうだい、、” と自分。

” いや、そのままで大丈夫 ” とディレクター。

 

適当なんだけど、クオリティは高くて毎回感動します。

仕事を効率よく終わらせて、残りの日を仕事以外のことに使うというサイクルは、この業界でも同じようです。

 

 

日本の撮影現場で感動した場面といえば、とあるベテランフォトグラファーの方とご一緒させて頂いていた時に、現場の雰囲気作りがすごくナイスで。

ヘアメイクが終わってスタジオに来たら、みんな楽しそうに和気藹々賑やかに笑ってる。ポジティブな緊張感しかなくて。

しかもそのフォトグラファーの方、1カットにつきシャッターは3,4回しかきらなかった。

このシャッターをきる回数って、人によって本当に違うので、この少なさには感動しました。もちろん結果的にも良い感じでした。

他にも日本の撮影現場で感動することと言えば、ヘアーメイクさんたちの技術の高さや、使ってるプロダクトが良いこと、アフターケアまでしっかりやってくれるところ。

海外だと撮影の後、もしくは化粧をのせたその瞬間から肌が悲鳴をあげることがよくあるのですが、

日本だとむしろ、メイクさんたちの使ってるプロダクトが優しい&良いものなので、撮影の後はエステにでも行ったかのように、肌の調子がよくなることも。

外人のモデルたちも、日本ではプリンセスのように扱ってもらえるから、日本で仕事するのすごい好きだ、って。

やはり日本のおもてなし精神と技術の繊細さは、どこにも負けようがないなって、つくづく思います。

このコンビネーションは他では真似できない精神力だと思います。