トルコで2週間、これまでにない濃厚な撮影。

撮影で2週間同じチームと毎日一緒にいるって、よく考えたら今までになかった。

長年モデルをやってるのでもう新らしいことが起こることは想像していなかったけど、
今回は色々新しすぎて、この経験が自分の中に良い意味で爪痕を残した。
初めてイスタンブールに行ったのは昨年の今頃。
その時は2日間の撮影だったので、そんなに街を見て周る時間もなかったけど、
その短い間に文化の違いや目に見えるヒエラルキー、
男女のギャップなどが凄すぎてあまり良い印象を抱いてなかった。

そういうこともあって今回の撮影の案件が来た時、正直どうしようかな、、と正直悩んだのですが、
こちらの条件も飲んでくれるとのことで行くことに決めました。
そして仕事が決まった翌日、神戸から東京に戻り、その日の夜にトルコ行きの飛行機に乗りました。

東京からの直行便はイスタンブールに深夜につく便。

到着してプロダクションの人が迎えに来てくれる予定だったけど、
電話番号がわからず空港内でスタッフを見つけることができず、
とりあえずsimカードを購入し、自分でホテルまで向かうことに。

タクシーが同じ道をぐるぐる 周り始めたと思ったら、
ホテルの周辺の道が封鎖されているようで、ホテルの前まで車がたどり着けないとのこと。。
日本からトルコに行き、そのあとそのままコペンに戻る予定だったので、
50kg近くのスーツケースと共に、誰もいない夜道でドライバーに、
これ以上先に進めないから!と降ろされてしまった。

イスタンブールが安全かどうかよくわからなかったので怖くなり、
とにかくこういう時は自分が変人のふりをして
石畳の坂道をダッシュでホテルに向かいました。
ホテルに無事について、迎えに来てくれるはずだったプロダクションの人からも連絡が来て、
とりあえず明日は何も気にしないで、まずはゆっくり寝てくださいとのこと。
翌日は昼過ぎからゆるりと衣装合わせがあり、次の日にはトルコの南の海の街、Fathieへ移動するとのこと。
そこでクルーのみんなと顔合わせ。なかなかの人数で撮影の規模の大きさをここに来て知る。
一緒だったモデルはドイツ人のBabaraとインド人のPalak。
終的に3姉妹ばりに仲良くなったことも今回の撮影で得た宝物。

チームの中には友達になれるくらい気の合う人たちも何人かいて、
彼らのおかげで過酷な撮影に良いスパイスが加わり結果的に味のあるものになった。



毎日移動して違うロケーションに行き、自分ではたどり着けなかったところに
たくさん連れて行ってもらいトルコのイメージが塗り替えられた。
一方で毎日ハードスケジュールを組まれ、
最低限の寝る時間を確保するのでいっぱいいっぱいで。
座って美味しいものを食べたり飲んだりする時間はもちろんなく、
炎天下の下ビーチや無人島ばりのインフラの整っていないロケーションで、
数日間大勢の人たちと撮影が行われた。
暑さと湿気のせいか、みんな常にイライラしていて、
最初は互いにストレスをぶつけ合い、とんでもないカオス状態に。
とにかく全部スルーして自分は落ち着いていないと、
カメラの前で良いパフォーマンスができないと思い、
常に瞑想状態に入ることを心がけていました笑 

 

 

撮影では今までにやったことないことをたくさん経験させてもらった。
一つは深いところで泳ぐこと。

昨年まで全く泳げなかったけど(色んな事情により泳ぐことを避けていた)、
コペンに来てから綺麗な海がすぐそばにある生活によって海が好きになり、
泳ぐ練習をし始め、一年かけてようやく少しは泳げるようになった。
でも足がつかないところで泳いだり飛び込んだりは流石にまだ無理だな、、と思っていたんだけど、
海のど真ん中で泳ぐところをドローンで撮影するっていうシーンがあって、
これはもうNoという選択肢はないなと思い意を決して臨んだら、あまりにも簡単で、
むしろ深い方が泳ぎやすいということにそこで気づいてしまった。笑
そんな訳でもう泳げるようになりました。教えてくれた人達に本当に感謝です。

もう一人のモデルPalakは全く泳げなくて、海で浮くこともできないほどで、
泳ぐシーンがあるまでの数日間もビーチで撮影だったので、
撮影の合間に泳ぎ方というか浮き方をBabaraと私で教えて、
なんとか10秒くらい浮けるようになり、そんな状況で彼女は深海で浮くシーンに挑んだ。
もう見てられないほどこっちが怖くてドキドキしたけど、
彼女は何度か溺れそうになりながらもなんとか1分ほど浮ききった。
半べそかきながら戻ってきた彼女をみんなで抱きしめた。

 

それと、パラグライディング。
これも今までトライできたタイミングは何度かあったけど、
毎回腰が引けてトライしなかったけど、やはりNoという選択肢はなかったのでやることに。
山から自ら飛び降りる感覚は怖くて最初は半泣きだったけど、
最終的に2回やらなきゃいけなくて、2回目にはすっかり慣れてしまっていた。
それに、気球。
夜中の3時に集合し、4時間くらいしか寝てない中みんなヘトヘトで、
ヘアーメイクやフィッテイングを済ませ、まだ外が暗いうちに気球に乗り込み、
間髪入れずに撮影が始まったんだけど、景色があまりにもすごすぎて、
みんな眠さで機嫌が悪かったのも一瞬で吹っ飛び、
表情がこれまでにないくらいに明るくなった。

 

撮影とは関係ないけど、空き時間に乗馬もさせてもらいました笑 
思ってたより簡単ではなかったです。

 

 

後半の数日間はまたイスタンブールに戻って撮影。
イスタンブールは湿気もなく、インフラも整っているのでだいぶ過ごしやすくて、
みんなちゃんと呼吸ができるほどの余裕があった。
が、今度は最終日までに撮り終えなきゃいけないシーンがまだまだあることや、
借りてる場所の時間のリミットがあることでまたみんなイライラした雰囲気になっていた。
現場は雰囲気さえよければ撮影がサクサク進むのに、
余計なプレッシャーがある中で当然のようにパフォーマンスを求められるのも、なかなか辛いものがある。
姉妹のように仲良くなった彼女たちと、何人かのチームのメンバーとのちょっとした他愛もない会話にだいぶ救われた。
持つべきものは友達だわ。

 

 

 

結局最後の最後まで自然災害かのように嵐が吹き荒れるような感じで、
もうモデルの仕事辞めたいって一瞬思ったりもしたけど、
最初は見えなかったみんなのパーソナリティが日に日に見えてきたり、
愛着や友情が芽生えてきたり、良くも悪くも色んなドラマが起こり、、、濃厚な2週間になった。


もちろん作品が世に残ることやどんな仕事だったかということも大事かもしれないけど、
それよりもここで得た経験や人間関係、また会いたいと思える人に出会えたことで、
この仕事をすることにして、トルコに来ることにして、本当によかったなと思いました。

辛い思い無くして特別な経験は得られない、ということを再確認しました。

次回トルコに行く時は、旅行で行ってみたい。

物価も安いし綺麗なビーチもあるし、船を借りて何日間か旅に出るのも楽しそう。